Chapter1

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「タスク、もう一度言う。人間、光喰らいにかなわない。」 少し厳しい表情をして、人差し指をピンと立てながら、美鈴は告げる。 「ワタシ、そのための狩人。タスク、大人しくしてる。」 だが僕だって譲れない。 男にも意地というものがある。 …さっき11才の少女に泣きついたなんてのは記憶の彼方、データ削除、忘れましたよ僕は。 「それでも、姉貴のように襲われる人がいるなんてのを、知らないふりして暮らすなんて僕にはできないよ」 「だめ。」 どうしても美鈴は首を縦には振ってくれない。 確かに、彼女も狩人として、一般人である僕を巻き込むわけにはいかないのだろう。 「プリンもう一つあげるから…だめ?」 「ん………だめ。」 間があった 「2つ」 「う……」 表情に迷いが浮かぶ。 もう一踏ん張りか… 「じゃあ奮発して5つで」 美鈴の目が輝いた……気がした。 「……よし。」 力強く、頷く美鈴。 本当に了承しなさった……。 自分で条件出しといてアレだが…何かとてつもなく「狩人」が安っぽい存在に見える。 どうやら彼女の中では、狩人のプライドの優先順位は、プリンより下のようだ。 こうして僕はプリンと引き換えに、命を懸ける争いに巻き込まれていくことになったのだった。 ◆【interlude】◆ 「じゃあまた明日!」 「ん…」 エントランスの扉から、ニコニコしながら彼は手を振る。 ワタシはそれに頷きを一つ返して背を向けると、彼のマンションを後にした。 マンションが建ち並ぶ、夜の住宅街を歩きながら、先ほどの約束を思い出す。 実際、プリンで協力を許す気など毛頭なかったのだ。 プリンが嫌いか、と言えば嘘になる…それはもう大嘘に。 だが、何も関係のない「人間」を巻き込むわけにはいかない。 そう、考えていたハズなのに。 なぜか彼と一緒に行動することに「楽しそう」という感情を覚え、何を期待したのか了承してしまった。
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