Chapter3

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▼ 『PM 9:00』 「…あの…美鈴、さん?」 僕の瞳に映るのは、上半身裸の少女。 当然、目の前にはその通りの光景。 見た目通り幼児体型の美鈴。 だがキュッと絞まったウエストに、膨らむ気配こそ全くないが、形は整った胸部からは、普通とは違う魅力を感じる。 ロリコンじゃなくても、思わず喉をゴクリと鳴らしてしまうだろう。 おまけに… 「タスク…ワタシを、見て…」 そんな核兵器並に破壊力満点なセリフを、しかも上目遣いに可愛い口から吐きますので僕の理性は崩壊寸前なのです、ハイ。 美鈴が目を覚ましたのは5分前。 起きたばかりのときは、先ほどの行為を思い出してお互い真っ赤になってしまい、会話どころではなかった。 …今になって考えてみると、かなり恥ずかしかったな、僕…。 5分で落ち着きを取り戻せる美鈴はすごい。 が、そのあと唐突に、 「タスク、お願い…ある。」 と言い出した。 そのときはいつも通りの無表情に戻っていたので、特に違和感は持たなかったのだが…。 美鈴がワイシャツのボタンをプチプチ外し始めたあたりで、ようやく事態の重大さに気づいた。 …そしてこの状態に至る。 「駄目だよ美鈴!僕たちは高校生だし、てゆうか美鈴は年齢的に小学生だし!こんな山小屋(?)の薄暗い部屋、ベットで男女二人きりなんて憧れたことがあるようなないようなシチュエーションではあるけれど!!」 暴走状態で整理できていない言葉がそのまま口に出る。 またしても「正直者には福がない」の概念が働いている! 「…? タスク…背中、見て。」 へ、背中? 見ると、美鈴は膝を崩した座り方のまま、僕に背を向けていた。 その綺麗な肌に、またしても顔が熱くなるのを感じかけて…… 「…この傷は……?」 わき腹の斜め上辺りに、塞がってはいるが、刃物で傷つけられたような痕があった。
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