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カシオは上を向く
「そういえば…まだ名前を聞いてなかった」
「僕、冬吾」
君は?と問いかけて来そうだったからカシオは先に答えた
「俺はカシオ」
そういい欠伸をする
「まだ眠いな…」
カシオはまた欠伸をする
「どこうか?」
冬吾は親切そうにそう言った
「いや、いい…お前と話していた方が楽しそうだ」
そう言いカシオは冬吾に目を合わせた
気弱そうな目をしていて
みるだけで孤独感が伝わって来る
カシオはふと気付いた
「お前、学校は?」
そう、自分とは違い冬吾は本当なら学校に行っている時間だ
「あそこは自由じゃない」
冬吾はそう答えた
「そうか」
「普通はこんなとこより学校の方が楽しい」
「楽しくない」
「なんで?」
「自由じゃないから」
「またそれか…」
カシオは少し呆れた
が
「冬吾」
冬吾は何?と答えた
「ついてこい」
カシオは立ち上がり
欠伸をしながらゆっくり歩いていく
「待ってよ、どこ行くの?」
カシオは振り返り
「腹減った」
そう言った
冬吾は少し笑った
「やっぱり、面白い人だ…」
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