[21:15] 美鶴 蒼衣

5/5

44人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
死んだテロリストの胸にナイフが収まってあるのを発見して、それを抜き取り、私の上にまたがっていたテロリストの胸に思いっきり刺しこんだ。     「ガァアアアアアッ!!」     テロリストが胸に突き刺さったナイフを見て、悲鳴を上げる。 血が飛び散り、私は返り血をまともに浴びた。 返り血は凄く温かくて、気持ち悪かった。   私は刺さったナイフを引き抜いて、もう一度胸を突き刺す。 そして、男の力が緩まるのを感じると、すぐに蹴り押した。     「ぐ……ぁ……」     胸にナイフが刺さったまま、テロリストはピタッと動かなくなった。 そっと腕に手を当てて、脈があるか確認する。 ……動いていない。     「はぁ、…はぁ…あ…ぅ……」     二人も殺してしまった…。 殺す覚悟も殺される覚悟もできたはずなのに…。 手が震えだし、目から涙が溢れだしてきた。     「…う、ぅわぁぁぁぁッ!」     私の嗚咽は廃棄病院に響き渡る。   私はこの日、初めて人を殺してしまった。 理由はどうあれ、私は人殺しとなった。                           あれから、数分が経った。   廃棄病院に設置されたシャワーを浴びて、私は体についた返り血を綺麗に落としていた。 シャワーを浴び終えて、服に着替える。 破れた服の変わりに殺したテロリストから服を拝借した。 サイズ的には大きいが、着ていた服の上から着れば、問題はなかった。 それにこの服には防弾アーマーが装備されていて、何発か体に当たっても防げる。 自分の銃を装填した後、ホルダーに収めて、テロリストから奪った銃の弾を新しく装填する。 身を守る武器に関しては、もう問題ない。 食料に関しても、なんとかなるだろう。 後は三日間どうやって生き残るかだ…。     「…もう行こう」     私は廃棄病院を後にした。                 Death Gameはまだ始まったばかり…。   本当の恐怖はここからだ。                  <所持品> ・COLT M1911(7) ・COLT M1911用マガジン×2 ・89式5,56mm小銃(30) ・89式5,56mmマガジン×1
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加