[21:53] 滝村 壮介

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「どうやら、また始まったようだな…」     俺は逃げ惑う人達を見つめながら、自宅に潜んでテロリストが侵入するのを待っていた。   今から、約一時間前にあの放送がされてから、東京は血に染まりつつあった。 生憎だが、俺には家族がいないため、自分の心配だけで済んでよかったと思っている。 親父の訓練には感謝している。 これがなかったら、俺は今頃、確実に死んでいただろう。   リビングの床に倒れこんでいるテロリスト達の死体を見下ろした。   数分前に、俺の家は戦場になっていた。 自宅に二人、テロリストが侵入してきたのだ。 それまで、俺はこの事態の真偽が分からなかったために、家で寛いでいた。 だが、侵入してきたテロリストを見て、あの放送が事実だという事がわかった。   もちろん、テロリスト達はなりふりかまわず、手に持っていた銃を撃ってきた。 俺は自室に逃げ込み、隠しておいた銃を使って、テロリスト達を容赦なく殺害した。   人を殺す抵抗は確かにあった。 だが、そんな綺麗事はその場では通用しない。 俺は躊躇いを捨てて、引金を引いた…。                                 そして、今に至る。   俺はテロリスト達の服を奪って、それを着ていた。 俺の自動拳銃は弾が切れて使い物にならない。 テロリストが握りしめていたアサルトライフルを確認してみる。 二人のテロリストの持っていたマガジンを合わせて、五個。     「生き残る為には十分な装備だな…」     俺はアサルトライフルを担いで、テロリスト達の顔を確認した。 こいつ等、テロリストは紛れもなく、日本人だった。 それにこのアサルトライフル……。 これは日本の自衛隊が正式に使っている銃だ。     (まさか……な)     俺はこの馬鹿げたGameの黒幕が政府、自衛隊によって起こされたものと考えたが、すぐにそれを否定した。
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