[20:15] 美鶴 蒼衣

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その日は凄く静かな夜だった。   学校は夏休み。 私は明日、友達と買い物をする予定をしていたので、まだ終わっていない課題を終わらせようと勉強していた。     「ふわぁ~……」     今日、朝からずっと机に向かっていたから、少し疲れた。     「…ひと休みしよ」     私は自室から出て、リビングへと向かった。                      私の母は七年前に癌で入院したので、家族は父だけだった。 その父も、現在海外で仕事をしていたため、この家には私以外誰もいない。       リビングの電気を着けて、テレビの電源を入れる。 適当にチャンネルを回しながら、自室を出る際に持ってきたポテトチップスを開けて、食べる。     「何かないかなぁ~…」     特に見たいと思う番組がなかった。 とりあえず、今丁度この時間帯にやっていたお笑い番組を見ながら、少し疲れを取ろうとそう決めた。     ――――ビリッ…     「あれ…?」     今、一瞬だけだが、テレビにノイズが走り、背景が黒く歪んで見えた。 人影も映っているようにも見えたが…。     ―――ビリッ、…ビリッ…     まただ…。 私は目を疑うように見る。 今度ははっきりとそこに映った。 画面が黒へと変わって、そこに仮面を着けた男が椅子に腰を掛けていた。     『東京の諸君。 突然ですまないが、どうか驚かないで欲しい』     仮面を着けた男が喋り出し、私はそれに注目する。 東京、と言っていたから、これを見ているのは私だけじゃないはず。 これは東京限定の臨時放送か何かだろうか?     『東京の諸君には、現在をもって、あるゲームを行なってもらう事した』     (……ゲーム?)     いきなり、また急な放送だった。 東京市民全員にどんなゲームをしろ、と言うのか。
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