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「いやぁッ!!」
悲鳴が校内へと鳴り響いた。
……校内?
(私……一体……)
徐々に思考が回復していく。
(そうだ…。
安全な場所で夜を過ごすために、<松丘中学校>へと来ていたんだっけ…。
それでちょっと眠くなって……それ…で…)
さっきまで見ていた悪夢を思い出してしまう。
「ぁ……ぁ…ぅ…ぅあ…ッ…」
思わず、目から涙がまた溢れだした。
涙は一行に止まらない…。
拭っても、また零れ落ちる。
(怖…い…、怖かった……。
あんな夢、もう二度と見たくない……)
「ぅ…ヒック…ぅぁ……ッ…ぁ…」
初めて人を殺したから、多分、あんな悪夢を見たんだろう。
私は泣きながらも、震えた体を落ち着かせるために、少し辺りを見回る事にした。
校舎内はとても静かで、私以外の人の気配は感じない。
廊下の窓ガラスを開けてみた。
外からは相変わらず銃声が聞こえくる。
何発も何発も聞こえる…。
銃声がだんだんと大きくなっていく。
いや…、“近づいて”きている。
ここに向かってきているのだろうか…。
肩に下げていたアサルトライフルを構えて、銃声が近づいてくる所へと向かっていく。
(テロリストだったら、また殺さなきゃいけない…のかな…)
なら、私はまたあの感覚に襲われてしまうのだろうか…。
あの悪夢も見てしまうのだろうか…。
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