[22:05] 滝村 壮介

3/3

44人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
  (落ち着け、俺。感情に流されるな! ここは……我慢だ…)     そい思いながらも、女性が殴られていく光景には我慢する事は無理に近い。     「痛ッ! やめて! お願い…! 誰か助けて―――!!」   「…助けを呼んでも無駄だ。この駅は我々が占拠した。ククク……諦めろ!」     先程まで、俺に接した態度とはまったく違う。 なんて残忍なんだ…。     「いやぁッ――――!!」     頬を殴られ、叫び続ける女性。 だが、兵士はその反応をむしろ楽しんでいた。     (もう…、見てられない!!)     俺の頭の中でプッツン、と何が切れた。 背中に背負っていたアサルトライフルを手に持ち、テロリスト達に突撃した。     「うおぉぉぉーーーーッ!!!」   「な―――ッ! 貴様!」     ダダダダダッ!!!   一人目は額、二人目は腹部へと発砲した銃弾が命中する。 二人のテロリストは地面へと倒れこんだ。 俺は直ぐ様、生死を確認した。     (……死んだ…か…)     どちらも息は無かった。 苦い思いがこみ上がる。 女性を助けるため、仕方ないとはいえ、これで合計五人もの人を殺してしまったのだ…。   先程まで、テロリストに暴行を加えられた女性がこちらを見続けている。 俺は銃を下ろして、女性へと駆け寄った。     「……大丈夫ですか?」   「……あ、ありがとう。君、名前は?」   「……滝村と言います。あなたは?」   「私は長瀬、…長瀬優子です」     こうして、俺は一人目の生存者、長瀬優子との出会いを果たした。               <所持品> ・89式5,56mm小銃(0) ・89式5,56mmマガジン×5 ・ ・
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加