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……3‐1。
私達が現在いる教室の場所だ。
今隣りにいる少年、秋島祐一君はテロリストに追われていた所、私と出会して、このような状況になってしまっている。
“なぜ、執拗にこうも追われているのか?”
そこにかなり引っかかったが、今はこの状況をどう回避するか、または打破するかを考えなければならない。
「秋島君はいざ、自分を守るときの武器って持ってる?」
「これだけですけど…」
そう言って、彼は隠し持っていた包丁を私に見せた。
長さ、大体20㎝位だろう。
確かに一応ちゃんとした武器ではあるのだが、相手が銃……マシンガン等になると、明らかに無理がある。
「よし。これ、使って!」
私は秋島君にホルダーに納めてあった銃、COLT M1911を渡そうとする。
「む、無理ですよ! 僕、銃なんて撃った事ないんですよ!?」
「大丈夫。少し肩痛むかもしれないけど、この銃、威力も命中も良いから、そこは保証するよ」
「で……でも…ッ」
確かに彼がいう事は正しい。
普通は銃を持つ…、ましてや人を撃つとなると、それを拒否するのは当たり前だ。
でも、…今は仕方ないのだ。
この狂った現実から、生き残るためには…。
「…死にたくないなら、ちゃんと持って。お願い!」
「わ、わかりました…」
「ありがと。私も出来る限りは秋島君には撃たせないようにするから……」
彼にこう言ったものの、自信など、これっぽっちもなかった。
私も必死なのだ。
生き残る事に…。
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