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もう間もなく、私の命のフィラメントが切れようとしている。
命の終わりとは、案外呆気なく訪れるものだ。
この一生、特に何かをしてきたわけでもない。
ただ、目の前にある時間を潰してきただけ。
でも、その中で、私はたくさんの人々と出会った。
そんな彼らに私は何か特別な事をしたわけではない。
ただ、ほんの少し先の道を照らし、進み行く彼らの背中を、やはり、ほんの少しの間照らしていただけ。
しかし、たったそれだけで、彼らは強い光を放ち、輝くことが出来る。
私はそんな彼らを見れただけで十分幸せであった。
何も返してくれなくていい。
ただ、そうして眩く輝いている君達の後ろ姿を、見つめているだけで満足である。
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