力の使い方

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  僕が混乱している間にも火の手は広がるばかりで…。 黒い煙がもくもくと立ち込めていく。 金澤、さんっ…! どうすればいいの? どうすれば…!! 「ま、まずい…火が早いぞ!!」 「このままじゃ屋上の人達が…!!」 金澤さん…!! 僕はずっと虐められてきた。 母さんの虐待にも耐えてきた。 母さんは、いいんだ。 だって僕を生んだのは母さんだから、仕方ないとも思うし。 けど…友達のは、辛かった…。 そんな地獄の淵から救い上げてくれたのは… 『…ギャーギャーうっせぇんだよテメェら』 金澤さん、だった。 僕はそんな金澤さんに何も出来ないの? 金澤さんはこのまま死んでしまうの…? そんなの 嫌だ。 水… もっと沢山の… 雨、だ! 《お願い…僕の心の声が届いたなら…ここにきて!この町に、沢山の雨を降らせて!!》 強く願う。 ねぇ、金澤さん。 明日は抹茶カステラ、一緒に食べようね? とびきり美味しいの、頑張って作るから。 また、笑ってね? 君の笑顔が、一番…好きなんだ。 そのために僕が出来るのは、これくらいしかないけど…許してね。 突然、雨が降ってきた。 .
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