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部屋から出てすぐ、リビングとキッチンだ。カーテンが閉められて薄暗い。 サラが出てきたドアの隣にもう一つドアがあった。サラはノックもせずに、入っていった。 隣の部屋へ入ってすぐ何か違和感を感じた。寒気がするのだ。 あたりを見渡すとベッドを中心に家具が氷に覆われているなど、部屋全体が凍り付き、白い息がでる。 部屋の主人はベッドで寝息をたてて熟睡中。 サラはがっくりうなだれる。 「……………ったく、もう。はぁ。」 大きなため息をついた。 姿勢をただし、呼吸を整え目を閉じ意識を集中させる。 気持ちが落ち着くと、両手を胸の前にかざす。 〈火を司るモノよ。我に力を…………。〉 すると、両手の間から火が宙に浮くように出てきた。 〈我の手に宿り、氷を溶かせ〉 火はサラの両手の中に入っていった。両手は赤く光りだした。 サラは氷に覆われた家具に近付きそっと右手をかざした。左手も別の家具にかざす。 すると、氷が速いスピードで溶ける。 届かない所は小さな火の粉を飛ばす。 「はぁ、レベッカさんだったらこんな事せずに一気にできるんだろうなぁ」 サラはブツブツ言いながら、手早く部屋全体の氷を溶かしていった。
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