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部屋を元通りにすると、カーテンと窓を開ける。 「キラーーーー!!起きなさい!!」 ベッドに近付き大きな声で言うが、返ってくるのは寝息だけ。 「ったく、もう!」   バサッ ベッドの掛け布団をめくる。 あらわになったのは、サラと同じ顔した少女が気持ち良さそうに寝ていた。 手のひらを上にして右手をだす。 〈水を司る者よ。……………〉 どこからともなく手のひらに直径約20㎝の水球が出てきた。 サラは何も言わずに水球をベッドで寝ている少女の頭上の高い所から落とした。  バシ!バシャ!! 水泳の飛び込み台から飛び込み失敗して思いっきり水面にお腹をうった音が部屋に響いた。 水球が少女の顔にあたるとすぐに砕けてなくなり、ベッドが濡れた。   ガバッ!! 「イッターーー!!」 水球があたるとすぐ少女が飛び起きた。 今、飛び起きたのがキラ。サラの双子の妹で、姉と同様今日から中等部1年になる。 「それに、なんか冷たい…………って、頭とベッドが濡れてるし!!」 「キ~~~~~ラ~~~~~。」 ドスがはいった声が聞こえた。 「ヴっ………」 声のした方へ、ぎこちなく顔を向けた。
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