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学生寮・外 寮から出ると桜の木が並んでいる道に出る。 寮の壁面は赤煉瓦で20階建てである。まるでマンションのような作りになってある。 道には人気がない。 寮から離れた桜の木の上に二つの影があった。 一人は枝の上に立ち、もう一人は座っていた。 二人は寮の出入口を見ていた。 少しすると、ポニーテールをした少女が寮から出てきた。キラだ。 キラは後ろを振り向く。 「ほら、サラー!早く!」 「キラ、早いよ。ちょっと、待って。」 少しして別の少女、サラが息をきらして出てきた。 「もう少しゆっくり行こう。」 「仕方ないなぁ。」 サラとキラは肩を並べて、二つの影を背にしてその場を去った。 二人が完全に去った事を確認すると、二つの影が桜の木から飛び降りた。 シュタ 「あれが沙羅と綺羅かぁ。」 先に飛び降りたのは黒い学ランを着た少年だ。 「二人とも結構カワイイじゃん♪なぁ、あに…」 「うわっ!バカ!ユウ!考えて着地しろ!」 言い終わらないうちに誰かにかき消された。 「え!?」 ドス 先に着地した少年の上に、先程の声の持ち主、黒いブレザーを来た少年が落ちてきた。 二人は同じ顔つきをしていた。 「ギャーーー!!兄貴、重い~~、ドケ~~!!!」 下敷きになった少年はジタバタもがいていた。
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