転入生

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少年は圧倒されて出入口の前で固まってしまっていた。 そんな少年を見てサラは同情する。 (かわいそうに。HR終わった後、質問攻めにあうわね。) 「でしょでしょ?格好いい男の子よね?先生も一目惚れしちゃった。私が先に目を付けたから取っちゃだめよ。」 そういうと、ヒロミは少年にウインクと投げキッスをした。 教室の空気は凍り少年は魂が抜けたように真っ青になった。 「あら?みんな本気にしたの?やーねぇ、冗談よ。冗談。アハハハ。」 (もっとましな冗談をつけ!!) 少年はほっとしたのか気をとりなして教壇の横にたった。 ヒロミは黒板に少年の名前を書いた。 ヒロミが振り替えると名前が見えた。白いチョークで“ハルト”と書かれていた。 「ハルトくんよ。」 「よろしくお願いします。」 ハルトはお辞儀をした。 「この中にも何人かいると思うけど、ハルトくんはファミリーネームはないわ。彼には双子の弟君がいてね。隣のB組に入るわ。ハルトくんと同じ格好いい男の子だから要チェックよ☆」 女子の間から、後で見に行こうと言う話しがちらほら聞こえた。 (キラのクラスかぁ。あとで聞いてみようかな?)
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