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「みんな顔に、アレは一体なに?教えてって書いてるわよ?」
「だと思った。」
サラは女子達のところへ行き、しゃがむとハルトが立っていた床を右手で触った。
「魔法で移動したみたいね。行き先は…………体育館みたい。」
体育館と聞くと女子は我先にと教室から出ていった。
教室に残った生徒、ほとんどが男子だがただ呆然と女子達を見送った。
カレンがサラのところに来た。
「彼、魔法移動で逃げたみたい。」
「やっぱりねぇ。無理もないか。女子達にあれやこれやと質問攻めされたら逃げたくなるよねぇ。」
二人はハルトに同情した。
「私たちも体育館行こう。」
「そうだね。」
ぼちぼちだが教室にいる生徒の数が減っていた。
廊下へ出ると体育館へ移動する生徒でいっぱいだった。
その中をサラとカレンも歩く。
サラがふと横を見るとカレンが腕組みをして深刻な顔をしていた。
「どうしたの?」
「あの強い力の気配が彼のだったら、彼も相当の力の強い持ち主だよ?たぶん、サラぐらいはあるんじゃないの?」
「私と同じ?」
サラは制服の胸のリボンをギュッとつかんだ。
同い年で自分と同じくらいの力を持つ子がいなかった為に、喜んでいいのか、それとも危害を加えられるんじゃないかと警戒した方がいいのか、戸惑っていた。
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