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「…………ヒック、ヒック、ヒック、ヒック…………………」
暗い、地下牢に泣き声はが響く。冷たい牢の隅で3、4歳の少女が踞って泣いていた。
少女の着物は所々に血で汚れボロボロ。体中には、何かで叩かれた痣や、高温の物で押された火傷など、痛々しい傷がたくさんあり、ろくに手当てもされてない。
「ヒック、ヒック、ヒック……………………ご、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
少女は誰もいない、地下牢でただ謝っている。でも、その言葉は誰も耳に入らない。
ピタ、ピタ、ピタ、ピタ。
足音が聞こえ、牢の外が明るくなる。誰かが懐中電灯をもって、降りてきたのだ。
ピタ、ピタ、ピタ。
足音は少女がいる牢の前で止まった。
懐中電灯を牢の中を照らした。
「サッちゃん、サッちゃん」
牢の前から、少女と同じ声がした。
少女は顔をあげた。顔も痣や火傷など傷でいっぱいだ。しかも、頭から血が流れている。
牢の外には、少女とまったく顔が同じ少女が立っていた。
彼女達は双子なのだ。でも、少し違うのは牢の中の少女より、傷はあまりなく着物もそんなにボロボロではない。
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