君に出逢えてよかった~最終章~

18/29
前へ
/247ページ
次へ
ガチャッ… ナオ兄の部屋… 今はもうガラガラになっていて、 ナオ兄がいなくなったことを改めて実感させた 今この部屋にあるのは ベッドと机と本棚 あと、ちょっとした小道具 私は前と同じようにナオ兄のベッドに座った そしてナオ兄がくれた封筒を開ける そこには一枚の手紙と、一枚のMDがはいっていた 私は手紙を読み始める 『康恵、元気か? お前がこれを読んでるってことは 俺はもう此処にはいないんだろうな お前はもう充分過ぎるほど傷付いたから これからは幸せな道を歩んでほしい お前は優しい人間だから 裏切られることも沢山あると思う それはお前の人生の中で大切なものになるんだ 俺…お前にあげたいものがあるんだ この手紙、俺の部屋で読んでるよな? 俺の机の二段目の引き出しに四角い箱があるだろ? それ お前の卒業式に渡したかったんだけど、会えなかったから渡せずにいた… これ…持っていてくれないか? 康恵は俺のことでいっぱい悩んだだろうけど、そんなに自分を責めないで これはきっと決められていたんだよ だから…もういいんだよ 二年後…今までと変わらずに居てくれたら嬉しい』
/247ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3465人が本棚に入れています
本棚に追加