出会いはドラマチックで

5/13
前へ
/247ページ
次へ
「……康恵っ!!」 母に抱きしめられた私は、 緊張の糸が解けたのか、大声でないた。 しばらくして、なきやんだ私はふと、 ナオお兄ちゃんのほうをむくと、 何やら私の兄と話しているようだった。 私の視線に気付くとナオお兄ちゃんはこっちへきて、 頭をくしゃっと撫でた。 「今度から迷子にならないように俺と遊ぼうか?」 「……うんっ!!」 その時母は、はっとしたように、ナオお兄ちゃんにお礼をいった。 「ごめんねなおくん。部活の帰りだったんでしょ!? 今度お礼しにいくから!」 「いやいや、そんな叔母さん別にいいですよ。 じゃ俺そろそろ帰らなきゃなんないんで」 そういってナオお兄ちゃんは、暗闇の向こうへと消えていった… これが私とナオ兄の出会い…だった。
/247ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3465人が本棚に入れています
本棚に追加