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「……康恵っ!!」
母に抱きしめられた私は、
緊張の糸が解けたのか、大声でないた。
しばらくして、なきやんだ私はふと、
ナオお兄ちゃんのほうをむくと、
何やら私の兄と話しているようだった。
私の視線に気付くとナオお兄ちゃんはこっちへきて、
頭をくしゃっと撫でた。
「今度から迷子にならないように俺と遊ぼうか?」
「……うんっ!!」
その時母は、はっとしたように、ナオお兄ちゃんにお礼をいった。
「ごめんねなおくん。部活の帰りだったんでしょ!?
今度お礼しにいくから!」
「いやいや、そんな叔母さん別にいいですよ。
じゃ俺そろそろ帰らなきゃなんないんで」
そういってナオお兄ちゃんは、暗闇の向こうへと消えていった…
これが私とナオ兄の出会い…だった。
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