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『こうしたんだよ…。』
揺らぎを見ていた俺の目の前に長髪の男が現れ、俺の腹部に強烈な一撃が入った。
ドフッ!
と言う音と共に俺は1メートル程後に跳ばされる。
『ゴホッゴホッ…。』
俺は方膝を着き蒸せ返り、地面を見据えて居た。
何だ…?今のアイツの動きは…。
視界に全く入らず俺の目の前に来るなんて…。
『フェイ・ウォン…。そろそろ騒がしくなって来たわ。手短にしてくれるかしら?』
向こうから女の声がし、長髪の男が俺の胸ぐらを掴み言った。
『らしいよ?君ともっと遊びたいけど仕方無いね…。』
俺はさっきの一撃で身体の自由が効かず、長髪の男のするがままになっていた。
『向こうに戻ろうか…。』
長髪の男が言うと、俺達はさっきの陽炎に包まれた。
揺らぐ景色を虚ろに眺めていると、いつの間にか黒塗りのバンの前に来ている事が解った。
何が起こったのか分からず、俺は長髪の男に胸ぐらを掴まれたままになっている。
『群馬さん!フェイウォンだよ!フェイウォンが居る!』
少女が物陰で群馬と呼ぶ男に言う。
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