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『失礼します…。』
プシューッ
と言う空気が抜ける音がし、自動ドアが開く。
『No.FAKE001はどうした?』
白衣を着た男が尋ねる。
『申し訳ありません…。途中で邪魔が入り、被験体を奪われてしまいました…。』
男は鼻で笑い言う。
『奪われたで済む事では有るまい…。』
冷たい眼差しで見つめる先には、先程の髪をUPにした小野江と言う女が立って居た。
『次こそは必ず、彼を此処へお連れします。どうか、もう一度だけチャンスを…。』
話す小野江の後ろから、長髪の男が現れる。
『フェイ・ウォンか…。お前が付いていながらこの失態とは。』
『私も驚きました…。敵に能力者がいます。』
!?
白衣の男が驚きの声を挙げる。
『何者だ?まさか既存Noでは有るまいな?』
『まだ分かり兼ねますね、只…。』
『只何だ…。』
『移動能力者と、幻覚を使う能力者…。能力者二名が存在する様です。』
白衣を着た男が小野江と言う女性に言う。
『小野江、今回は大目に見よう。お前はその二名について調べるが良い。』
『了解しました。』
そう言い小野江と言う女性とフェイ・ウォンと呼ばれる長髪の男は部屋を出た。
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