第1章 研究レポート

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『失礼します…。』 プシューッ と言う空気が抜ける音がし、自動ドアが開く。 『No.FAKE001はどうした?』 白衣を着た男が尋ねる。 『申し訳ありません…。途中で邪魔が入り、被験体を奪われてしまいました…。』 男は鼻で笑い言う。 『奪われたで済む事では有るまい…。』 冷たい眼差しで見つめる先には、先程の髪をUPにした小野江と言う女が立って居た。 『次こそは必ず、彼を此処へお連れします。どうか、もう一度だけチャンスを…。』 話す小野江の後ろから、長髪の男が現れる。 『フェイ・ウォンか…。お前が付いていながらこの失態とは。』 『私も驚きました…。敵に能力者がいます。』       !? 白衣の男が驚きの声を挙げる。 『何者だ?まさか既存Noでは有るまいな?』 『まだ分かり兼ねますね、只…。』 『只何だ…。』 『移動能力者と、幻覚を使う能力者…。能力者二名が存在する様です。』 白衣を着た男が小野江と言う女性に言う。 『小野江、今回は大目に見よう。お前はその二名について調べるが良い。』 『了解しました。』 そう言い小野江と言う女性とフェイ・ウォンと呼ばれる長髪の男は部屋を出た。
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