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『ウゥッ!!』
俺は低い唸り声を出すと、両手を地面に着いた…。
昔からよく起こって居た症状だが、今回とは度合いが雲泥の差だ…。
余りの痛みに、額から脂汗が出ている。
『ナリりんどうしたの!!』
意識が朦朧とする中、コイツの声が俺の頭に微かに響いていた。
俺は死んだのか…?
漆黒の闇に静寂。
いや、何か微かに聴こえる。
時計?の秒針の音だ。その音は次第に大きくなり俺を包み込んでゆく…。
『ヤァ、成瀬君…。君を長い時間待っていたよ。』
秒針の音は次第に人の声にへと変化している。
暗闇の中、姿は無く気配も無い。
『誰だ…。』
俺は辺りに注意しながらその一言を投げ掛ける。
『辺りを捜しても、私は見付からない…。今、君の心に語り掛けているのだから。』
意味が解らない。声は聴こえているが姿は無いという事なのか?
『そうだよ、君の心に遠くから語り掛けているんだ…。』
俺の考えが解るかの様に姿が見えない声の主は言った。
『アンタは誰なんだ?』
『君の仲間だよ…。君を彼らから助けなければいけない。』
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