第1章 研究レポート

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『ウゥッ!!』 俺は低い唸り声を出すと、両手を地面に着いた…。 昔からよく起こって居た症状だが、今回とは度合いが雲泥の差だ…。 余りの痛みに、額から脂汗が出ている。 『ナリりんどうしたの!!』 意識が朦朧とする中、コイツの声が俺の頭に微かに響いていた。   俺は死んだのか…? 漆黒の闇に静寂。 いや、何か微かに聴こえる。 時計?の秒針の音だ。その音は次第に大きくなり俺を包み込んでゆく…。 『ヤァ、成瀬君…。君を長い時間待っていたよ。』 秒針の音は次第に人の声にへと変化している。 暗闇の中、姿は無く気配も無い。 『誰だ…。』 俺は辺りに注意しながらその一言を投げ掛ける。 『辺りを捜しても、私は見付からない…。今、君の心に語り掛けているのだから。』 意味が解らない。声は聴こえているが姿は無いという事なのか? 『そうだよ、君の心に遠くから語り掛けているんだ…。』 俺の考えが解るかの様に姿が見えない声の主は言った。 『アンタは誰なんだ?』 『君の仲間だよ…。君を彼らから助けなければいけない。』
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