第1章 研究レポート

5/13
前へ
/18ページ
次へ
『仲間ってなんだよ!彼らって誰だ?』 意味が解らない事ばかりだ…。 『今は説明している暇が無い…。もう少ししたら黒いバンタイプの車が君の前に来る筈だ。それが見えたら逃げてくれ。』 『車?その車が、お前の言う彼らなのか?』 『嫌、彼らの工作員だ。イカン!奴等が来る。必ず逃げるんだぞ!』 そう言うと声が途切れ、静寂の暗闇に戻った。 俺はハッと我に帰り、辺りを見回す。 俺の横でオロオロとしながら座り込んでいる遥の手を持つ。 『ナリりん!大丈夫なの!』 『アァ…、それより近くに黒塗りのバンが停まって無いか?』 俺は倒れたままの状態から遥に話す。 『バン?車の事よね?』 辺りをキョロキョロと見回す遥。 『有ったか?』 『えぇ、有ったは…。アッ!動いた…。此方に徐行してくるよ?』 あの闇の出来事は夢じゃないらしい…。 『遥、学校まで全力で走れ。良いな…。』 『どう言う事?』 いぶかしげに俺の顔を見る。 『話は後だ…。兎に角走れ。』 遥は立ち上がると学校に向かって走り出す。 俺も立ち上がり、車を確認すると学校に向かって走り出す。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加