第1章 研究レポート

8/13
前へ
/18ページ
次へ
『貴方が私達の所に来なければ、御父様に迷惑が掛かる事になるわ。』 お願いの次は脅しか…。 ドラマ等ではアリキタリな展開だ。 俺の親父は研究所から帰って来る事が無い。重要機密漏洩を防ぐ為らしいが。 子供の頃、二、三度母さんに連れられ研究所に会いに行った事が有る位だ。 母さんも昔は研究員だったらしいが、俺が出来た事で退職し育児の為に家に入った。 『俺には関係無い事だな。親父に迷惑が掛かるなんて、何とも思わない。親父が俺達に迷惑を掛けっぱなしだからな…。』 俺が平然と言って退けると女は諦めた様子で、顔色も変えず男達に言った。 『仕方無いわね…。連行しなさい。成るべく怪我の無い様にね…。』 それを聞いたスーツ姿達は女の前に出て、俺を取り囲む。 朝っぱらから俺を拉致する気なのか?コイツ等は。   俺は身構え、男達に警戒する。 一人の男が横から俺の顔をめがけて正拳を繰り出す。 俺はそれをスウェーでかわし、囲いが解けた場所に滑り込む。 『アンタ等素人か?囲んだら勝てるなんて思ってんじゃ無いだろうな?』
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加