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『貴方が私達の所に来なければ、御父様に迷惑が掛かる事になるわ。』
お願いの次は脅しか…。
ドラマ等ではアリキタリな展開だ。
俺の親父は研究所から帰って来る事が無い。重要機密漏洩を防ぐ為らしいが。
子供の頃、二、三度母さんに連れられ研究所に会いに行った事が有る位だ。
母さんも昔は研究員だったらしいが、俺が出来た事で退職し育児の為に家に入った。
『俺には関係無い事だな。親父に迷惑が掛かるなんて、何とも思わない。親父が俺達に迷惑を掛けっぱなしだからな…。』
俺が平然と言って退けると女は諦めた様子で、顔色も変えず男達に言った。
『仕方無いわね…。連行しなさい。成るべく怪我の無い様にね…。』
それを聞いたスーツ姿達は女の前に出て、俺を取り囲む。
朝っぱらから俺を拉致する気なのか?コイツ等は。
俺は身構え、男達に警戒する。
一人の男が横から俺の顔をめがけて正拳を繰り出す。
俺はそれをスウェーでかわし、囲いが解けた場所に滑り込む。
『アンタ等素人か?囲んだら勝てるなんて思ってんじゃ無いだろうな?』
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