第1章 研究レポート

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俺は昔からよく喧嘩を売られ、他対一に慣れていた。 『ホウ、良い動きだな…。それも特性のお陰か?』 今気付いたが、囲みを外された男達の中に一人長髪の男が居る。 コイツは他の奴等とは違う…。 俺の経験から解るのだ。 『アンタ、コイツ等のボスか?』 長髪の男に俺は話し掛ける。 『ボス?あぁ、彼等の事か…。一緒にしないで欲しいな。私と彼らでは格が違う。』 男はそう言うと、一歩前に出て来る。 俺は身構え長髪の男に注意を注ぐ。 その時後ろで音が鳴り、一瞬気を取られた。 次に振り返った時       !? 俺は目を疑った。 長髪の男が消えて居るのだ…。 何処だ!? 気配を真後ろから感じ、前に飛んで後ろに振り返る。 『やはり、良い動きだ…。』 男は微笑み俺に言う。 あり得ない…。 あの短時間で俺の後ろに回れる筈が無い。 『アンタどうやって後ろに回ったんだ?』 微笑みを浮かべたまま、長髪の男は言う。 『君も訓練をすれば出来る様になるさ。』 そう言い終わり掛けた時、長髪の男の回りに陽炎の様な揺らぎが見えた。
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