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俺は昔からよく喧嘩を売られ、他対一に慣れていた。
『ホウ、良い動きだな…。それも特性のお陰か?』
今気付いたが、囲みを外された男達の中に一人長髪の男が居る。
コイツは他の奴等とは違う…。
俺の経験から解るのだ。
『アンタ、コイツ等のボスか?』
長髪の男に俺は話し掛ける。
『ボス?あぁ、彼等の事か…。一緒にしないで欲しいな。私と彼らでは格が違う。』
男はそう言うと、一歩前に出て来る。
俺は身構え長髪の男に注意を注ぐ。
その時後ろで音が鳴り、一瞬気を取られた。
次に振り返った時
!?
俺は目を疑った。
長髪の男が消えて居るのだ…。
何処だ!?
気配を真後ろから感じ、前に飛んで後ろに振り返る。
『やはり、良い動きだ…。』
男は微笑み俺に言う。
あり得ない…。
あの短時間で俺の後ろに回れる筈が無い。
『アンタどうやって後ろに回ったんだ?』
微笑みを浮かべたまま、長髪の男は言う。
『君も訓練をすれば出来る様になるさ。』
そう言い終わり掛けた時、長髪の男の回りに陽炎の様な揺らぎが見えた。
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