案山子(かかし)

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案山子(かかし)

一人あてもなく歩く 何故か風景は次々と変わる 草薮から砂地に変わったかと思うと、砂地の砂が泥へと変わる ただ、空と轍だけは変わらず続いて居た。 「(現実とは思えないけど…しっかり現実感はあるんだよな…)」 気がつくと草原の中を歩いて居た。とても濃い緑と、足元を吹くような心地良い風が今までとは違う場所に居る様な感覚さえ与えていた。 「(あれ?あんな所に誰か座ってるな…ん?でも、なんで見渡す限り草原なのにこんな近くに来るまで気がつかなかったんだ?)」 小さな丸い木製の椅子に老人が座って居た。その先は轍が3つに別れて居た。 「(第一村人発見…なんて所か。…われながらつまらないな)」 などと軽い気持ちで話しかけた。まさかあんな事になるとも思わず…
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