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「こんにちは。すいません…ここはどこなんでしょう?あぁなんか変な質問だな」
頭を照れ隠しにカリカリかきながら返事を待つ
「ここか…ここがどこかはここに居る内はわからんだろうな。それより、どこに行きたいかを考えたかね?」
日に焼けた褐色の肌
深いシワは年齢がいくつくらいなのかを判らなくさせていた。
「どこへ?…んん、とにかく家に戻りたいかな。」
と、ふと先の轍を見ると轍が4つに別れていた
「この4本の道のどれかに行けばいいのか…」
老人は目を大きく見開き、驚いた顔を見せる
そして、先に続く轍を眺め始めた。しかしどの道を見ているかはわからない
「どの道へ行けばいいと思います?」
顔を先の轍へ向けたまま
「わしはお前の家を知らんからなぁ…。それに道の先も知らん。」
どこか言葉尻が悲しそうに聞こえたが、表情はわからない。しばらく考えたが答えが出るわけもなく…
「ありがとうございます。とりあえず真っ直ぐ行ってみます」
こうして、知らない土地の知らない道を進み始めた
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