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それはある日突然だった。
深夜の電話。
まさか…と思った。
前触れがなさすぎた。
『お父さんが…嘘だ』
小さい時に父親を亡くしたあたしにとって、祖父は父親と同じだった。
お父さん。
ずっとそう呼んできた。
父親の事はパパ。
祖父の事はお父さん。
そう呼ぶ事に、今でも違和感は全くない。
病院に着いた時には、もう遅かった。
台の上でお父さんはもう動かなかった。
『嘘だ!嘘だ!』
そう思いながら、叔母と一緒に処置室前の床に崩れ落ちて泣いた。
深夜の病院に響き渡る程、大声で泣いた。
あんなに泣きじゃくったのは、後にも先にもあの時だけだ。
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