50人が本棚に入れています
本棚に追加
いや、突き刺したが手応えはなく、そのまま突き抜け着地した。
見るとドラゴンは霧に姿を変え、カインを包み込む。
再び霧が集まり、カインの前に姿を表し、尾で薙払う。
カインは避けられず、その衝撃で岩壁へ叩き付けられた。
カイン「ぐはっ!……」
その場に崩れ落ちる。
セシル「カインっ!」
セシルはカインの元へ駆け寄る。
カイン「こ、こいつ……物理攻撃が効かない!しかし、お前の技なら……」
セシルはうなずくと、ドラゴンに対し身構える。
ドラゴン「グオオオオオオオゥ!!」
ドラゴンは抱喉を上げ、セシルに襲いかかる。
セシルは手にした剣を、自分の左手の掌に当て切り裂いた。
傷口から血が流れだし、刀身を滴る。
セシル「我が内に秘める邪……
血の契約にてその闇の力を呼び覚ませ!」
セシルは血の付いた剣をドラゴンに向かって振り払う。
刀身から血が飛び散り、漆黒の刃へと姿を変えドラゴンを切り裂いた。
自らの血を闇の刃に変える《暗黒》
契約により暗黒騎士に与えられた闇の力
セシルの《暗黒》に切り裂かれ、ミストドラゴンは姿を消した。
セシル「大丈夫かカイン?」
カインを抱き抱える。
カイン「あぁ、しばらく休めば大丈夫だ。
しかし、いつ見てもその力はすごいな……
」
セシル「……」
しかし、カインは恐怖も感じさせられた。
契約をし、自らの身を滅ぼす事で得る力……
だが、それはとても強大な力であった。
カイン(力か……オレにも力があれば……)
セシルはカインの様子を不審に思う。
セシル「どうしたんだ……カイン?」
カイン「いや……なんでもないさ。」
カインは笑顔で答えた。
カイン「さぁ!そろそろ行くか!
もう洞窟は抜けられるだかろうからミストの村はもうすぐだな。」
セシル「あぁ、行こうか。」
二人は立ち上がり、先へと進んだ。
最初のコメントを投稿しよう!