プロローグ

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【バロン国遥か南の大海】 そこに何隻もの高速船の大群が見える。 しかしその船団は海上を走っているのではない。 その海上の遥か上空にその船団はいた。 高速で空を飛ぶ乗り物 超技術(飛空艇) その船団は船体を紅く染め、大空を駆ける姿はまるで不死鳥のよう。 よく見ると一隻だけ造りが違う船がいた。 その船の甲板に佇む一人の男。 兜で顔を覆い、黒い甲冑に身を包み、禍々しい雰囲気を纏っていた。 しかしその様子はどこか寂しげで、悲しみさえ感じさせた…… 「………」 その黒甲冑の男に一人の兵士が近づく。 兵士「隊長。セシル隊長。そろそろバロン国に到着致します。」 セシル「そうか……わかった、退れ!」 そう兵士に言うと、また顔をうつ向け、何かを考え込む。 兵士「……やはり隊長も、罪のない人々からクリスタルを奪うのは……」 兵士達が何やら騒ぎ始める。 兵士「おかしいよな。ミシディアの人々からクリスタルを奪うなんて!」 セシル「やめるんだみんな!我々は誇り高きバロン国飛空艇団(紅い翼) 陛下の命令は絶対だ……」 兵士「……」 【魔法都市ミシディア】 はるか昔、魔法を生み出しのはミシディアの民だと言われている。その為、現在も 《黒魔法》《白魔法》 共に住民は生活の一部としてる。 そのミシディアの地下深くにクリスタルを祭っていると言う。 セシル「ここの地下にクリスタルはあるんだな。」 セシルは兵士達にクリスタルを祭る祭壇を探させた。 そして地下深くの祭壇 「やめろ!お主達は何をしているのかわかっておるのか!? 自然界の力を司るクリスタルを動かしたら……」 セシル達を追って、長老と思われる者と何人か魔法使い達が追って来た。 セシル「……抑えろ。」 セシルは周りの兵士達に命令した。 兵士達は命令通りに長老や魔法使い達を抑え込んだ。 しかし中には抵抗する者達もいて、仕方なく手荒な手段も使わざるを得なかった。 長老「おのれ……暗黒騎士めぇぇ!」 長老はセシルを睨みつけながら、その場に倒れた。 セシル(………) セシルは祭壇に登り、クリスタルを手に取る。 セシル「これが……自然界の力を司ると言われる4つのクリスタルの内の1つ 《水のクリスタル》か。」 クリスタルは七色の光を放ち、とても不思議な触り心地だった。
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