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テラの言葉で水際まで下がり態勢を立て直す。
ギヤアアアアアアアアアア!!!
鼓膜にまで響く叫び声に、リディアは思わず耳を塞ぐ。
テラはジッと滝へ視線を向ける。
セシルはテラの視線の先辺りに注意する。
すると滝からセシルの身の丈の3、4倍ほどありそうな蛸の魔物が現れた。
しかし、蛸と違い口は大きく裂け、長い牙が見えていた。
触手と思われる八本の内二本は先程セシルに斬り落とされ、青い鮮血を流している。
その色の為か、水に流れても汚れ染まった感じはしない。
セシル(八匹の大蛇の正体か……)
オクトマンモスは残っている触手でセシルに襲いかかる。
セシルはかろうじてかわしてはいるが、攻めあぐねているようだ。
セシル「くっ……!触手がバラバラに仕掛けてくるから思うように……」
テラ「セシル、奴から離れろ!
ワシの魔法をおみまいしてやる!
……風を切る轟音の衝撃……《サンダー》!!」
セシルは魔法の発動と同時にオクトマンモスから離れる。
すると、テラの手から一本の光が走りオクトマンモスを襲う。
雷の魔法
テラのサンダーを受け、痙攣を起こしたのか触手が小刻みに震えている。
すかさずセシルはその隙を突き、二本の触手を斬り落とす。
リディア「やったぁ!」
その様子を見て、リディアが両手を上げてはしゃいだ。
するとオクトマンモスの視線がリディアに向けられ、一本の触手がリディアに伸びた。
セシル「危ないリディア!!」
しかし、テラがリディアの前に立ちはだかり一撃を喰らう。
触手の攻撃を受け、吹き飛ばされる。
リディア「おじいちゃん!」
リディアはすぐさまテラの下へと駆け寄る。
テラ「…だ、大丈夫じゃったか?……言ったろ……ワシがリディアを守ると。」
テラは頭から血を流しながらもリディアに微笑みかけた。
リディア「ごめんね…おじいちゃん……ぅぅ…今…ケアルするから……ぅ…」
リディアは泣きながらもテラにケアルをかける。
セシルはオクトマンモスとテラ達の間に立ち、応戦していた。
オクトマンモスは触手を斬られ逆上しているのか、先程より一撃一撃がとても重い。
防戦一方で手が出せなかった。
セシル「く……このままではマズイ……」
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