プロローグ

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セシルは祭壇を降り、クリスタルを兵士に渡すと撤退命令を出した。 祭壇のある部屋を後にした時、後ろから うめき声や罵声が聞こえてきた。 セシル(………) 兵士「隊長!船団の前方に魔物の群れが!」 セシルは兵士の報告を受け、我に帰った。 前方を確認すると、怪鳥の魔物(ズー)の大群が見えた。 セシル「総員、第壱戦闘配備!」 ズーの大群を倒し、それぞれ持ち場に戻った。 兵士「しかし、最近は魔物の数が余りにも多いよな。」 ここ最近、各地で魔物の被害が相次いで起こっていて、城下の人々からの訴えをよく聞く。 セシル「何かが……起ころうとしているのか?」 セシルは、ここ最近の出来事や魔物の被害から何か不安になる。 世界が変わっていくきが…… バロンに到着したセシルは、クリスタルを届けに城へ向かう。 城門には門番と一人の男がいた。 ヒョロヒョロとした体格で、お世辞にもたくましいとは言えないその男は近衛兵長ベイガン。 ベイガン「おぉ、セシル船団長!クリスタルを手に入れたのですね。」 ベイガンはセシルを笑顔で迎え、何やら待っていたようだ。 セシル「はい。……しかし、ミシディアの人々から奪うのは……」 ベイガンはセシルの様子を見て顔つきが険しくなるが、すぐにまた笑顔に戻った。 ベイガン「何を仰るのです。さぁ!ともかく陛下がお待ちですよ。」 ベイガンに連れられ城の中に入る。 しかし、謁見の間の扉の前でベイガンは立ち止まる。 ベイガン「セシル殿。しばし御待ち下さい。」 そう言うとベイガンは謁見の間に入って行った。 ベイガンは玉座に座っている王の側に寄り、耳打ちをした。 ベイガン「陛下……恐れながらセシルの奴めが、今回の陛下の御命令に不審を抱いている様子です。」 バロン王「何、それはまことか! あい、わかった。流石は近衛兵長。よく知らせてくれた。 だが、クリスタルさえ手に入ればよい。 セシルを呼んで参れ。」 ベイガンは玉座を離れ扉の前に立つ。 ベイガンに呼ばれ、セシルは玉座の前に膝をつく。 王「セシル。ご苦労であった。クリスタルはどうであったか?」 セシル「はっ、こちらに。」 セシルは側にいたベイガンに、水のクリスタルを手渡した。 ベイガンはクリスタルを何やら確かめるように眺める。 ベイガン「本物のようです。」 王「そうか!おぉ、なんと眩い光!下がってよいぞセシル。」
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