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ローザは顔を伏せ、立ち去ろうとする。
セシルはベッドから起き上がり、ローザの側に寄る。
そして後ろから軽く抱きしめた。
セシル「心配いらないさ。カインも一緒だ。」
そう言うとセシルはローザを放し、振り向かせる。
セシル「もう遅い……
君も休むんだ。」
ローザはセシルに別れを言い、部屋を去った。
(ありがとうローザ……
だが、僕は暗黒騎士。
君とは……)
朝になり、身支度をする。
塔を降り、城門の方へ向かった。
城門の前にカインの姿を確認し、軽く駆け寄る。
カイン「行くかセシル。」
セシル「あぁ、当てにしてるぜカイン。」
カイン「フッ……任せておけ!」
カインは手にしている槍を高々に掲げる。
二人は顔を見合わせ、城門から城を後にした……
かくして、バロン国飛空艇団の部隊長であった暗黒騎士セシルは、その座を剥奪され、竜騎士部隊長カインと共に、辺境の村を目指し、霧深く立ち込める谷へとバロン城を後にした……
人々の夢であった
天駆ける船
だがその飛空艇の機動力は、夢の実現ばかりか、欲望を満たす手段にまで成り得た……
飛空艇団により、最強の軍事国家となったバロン国。
何故、強大な力を持つバロンがクリスタルを求めたのか……
そして何故、あまたの魔物が白日の下に姿を表し始めたのか……
クリスタルはただ静かにその光を讃えていた……
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