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「おじちゃ~ん❤お菓子くださぁい❤」
「おっレイラちゃんじゃないか、今日は何が欲しいんだい?」
黒の長髪が可愛さを物語るこの子の名はレイラ。村で流行している膝丈くらいのスカートにブーツをはいて少し離れたお菓子を売っている出店に買い物にきた。
「今日は赤い飴玉と白い飴玉を8個ずつくださいな💕」
コレとコレも追加で、と一言添えて店主にニコッと話し掛けた。どうやら常連らしい。
「はいよっ!じゃあ今日は綿飴をおまけにあげるよ!」
「キャー❤ありがとっ💕大好きッ!明日また来るね!」
「あっ、気を付けて帰るんだぞ!最近ここらで魔物がうろついている、遇ったら生きて還れねえからな!」
店主の声が届いたのか、笑顔で手を振り返す姿を遠くにみた。
あたり一面、緑に囲まれここら辺に住む人でないと迷ってノタレ死んでしまうくらいの迷いの森だ。
村の近くまで来たレイラは草むらで一度足を止めた。何故か下をむき動こうとしない。――と、次の瞬間…
「――ふっ………くくく…」
…笑い始めた。
「あはははははーはははははははははっ!!!!」
…壊れ始めた。
「つうか、こんなに巧くいくなんて…俺って天才かもなッ」
そう…レイラは……
男だったのです。
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