織姫誕生日小説。

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「あ~あ!たつきちゃんに会いたいなぁ!」 織姫はソファに座りながら、開口一番にこう言った。 ささやかだけれど 「サヨナラも言えなかったし、アキアカネ見るって約束も破っちゃったし、もう一回会いたいよ~~~!」 ソファから降り、床をゴロゴロ転がりながら独り言とは思えない大音量で喋っている 彼女を見て、ウルキオラはため息をついた。 ・・・・・また独り言か・・・・・・・ 毎度のことながら、何十回と繰り広げられる目の前の出来事に、その気がなくともため息が出るのは当然のことだろう。 「ってあれぇ!?ウルキオラさんいつからそこにいたんですかぁ!?」 このやりとりももう何度目か。 「最初からだ、いい加減霊圧でわかるようになれ。」 「うう・・・・・・・だ、だってウルキオラさん音させないで入ってくるからわからないんだもん・・・・・」 しょんぼりとした織姫を「関係ないだろう」とバッサリ切り捨てる。 その時、先ほど喋っていた言葉の中に聞いたことのない単語が入っていることに気づいた。 「『たつき』とはなんだ?」 立木、樹か?『ちゃん』とついていたと言うことは人名か、 「たつきちゃんは友達です!中学校の時にあたしを笑わせてくれた人!」 いつものように満面の笑みで答える織姫とは裏腹に、ウルキオラは顔をしかめていた。 これだけ笑う女が『笑わせてくれた』? 「そのころは笑わなかったと言うことか?」 グリムジョーにも、ロリとか言う女破面にも、藍染様にさえ笑顔を振り撒くこの女が 『笑わなかった』? 「はい・・・・・・・・・。あのころはあたし暗くって、いじめられたりしてたんですけど、たつきちゃんに守ってもらったり、励ましてもらったりして、やっと笑えるようになったんです。」 悲しそうな困ったような顔をしてうつむく織姫を俺はただみつめることしかできなかった。 「この話は終わりです!今日の御飯は何ですか?ウルキオラさん!」 もっと楽しい話題にかえようとしているのか、辛そうな顔を無理矢理笑顔にかえてこちらを向く彼女を見て、ある決心をした。
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