-Prologue-

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今日は会社になんて行く気になれなかった… こんなふうに、会社をズル休みしたなんて初めてかもしれない… 電話先にいる部長がかなり心配して、しきりに『どうしたんだ?』と聞いてくる。 でもそんな言葉すらも右耳から左耳に抜けていった。 それくらい、僕の頭の中は君の存在で一杯になっていた… もう、30を過ぎるいい大人の考える事じゃないかもしれない… でも…それくらい、君の想い出は僕の中に根付いてしまっていたんだ… どうして…僕達は別れなきゃならなかったんだろうね… もしかしたら、僕が君を追いかけて行けばよかったのかな… 今だって充分過ぎるくらい幸せなのに、僕はあの時の幸せを追いかけている。 どうしてなんだろう… もう、誰も答えてなんかくれないのに… 問い掛けてしまいたくなるくらい… とても苦しいんだ… 結樹… Next:『いつかのメリークリスマス』
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