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足跡は、少し離れた普段はほとんど来ない部屋に入っていっているようだ。
「ここね…」
紫がその部屋の襖を開けると…
パンッ パンッ パンッ
「紫さま!藍さま!おめでとうございます!」
橙に藍、それに霊夢達もそこに居た。
「えっ?えっ?」
「紫様。今日は紫様が私を式にしてくれた日ですよ。お忘れですか?」
言われて初めて気がついた。
毎年小さなお祝いはやっていたが、藍が居ない事に気を取られ、忘れてしまっていたのだ。
「今年はせっかくだからちょっと大きめなパーティーを開こうかと思いまして…って紫様?どうなされました?」
紫は小刻みに震えていた。
藍は心配になり、紫の顔を下から覗き込むと、いきなり抱き締められた。
「ゆ、紫様!?一体どうしたんですか!?」
慌てふためく藍を、更に強く抱き締める。
「バカ…私がどれだけ心配したと思ってるの…」
声が震えている。
泣いているのかもしれない。
そう言われて、紫がどんな想いをしていたか、藍は気付いた。
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