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更に2日経った。
昔は1人で居た迷い家も、長い間3人で過ごしていたので余計に広く感じてしまう。
「もう5日ね…」
橙と藍の2人が居なくなって、たったそれだけの時間しか経過していない。
いや、むしろこんなにも時間が経過してしまったのか…
「帰ってきてよ…藍…」
いつも近くに居るとそれほど感じなくても、居なくなると一番恋しくなる。
もしかして悪い事しちゃったかな…?嫌われるような事しちゃったかな…?
自己嫌悪に陥り、塞ぎ込んでしまう。
一人でお茶を飲んでいると、
「にゃあ~」
と猫の鳴き声が聴こえた。
「橙!?橙なの!?」
まるで答えるように再び
「にゃあ~」
と鳴き声がした。
それを追いかけるように襖を開けると、縁側に足跡が付いている。
しかも、長く延びていて、まるでついて来るように言ってるようにも見える。
紫は、それを迷わず追っていった。
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