6人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前に続くは遥かなる廊下(普通のだけど)
視界に羅列するは地獄への扉たち(教室の扉)
脳内で繰り広げられているはえげつない光景
今こそ人生の別れ道。
生死の境目、瀬戸際。
俺はいま、あの末おそろすぃー(あ、噛んだ)噂の飛び交う第一理科室前に居る。
噂とは何ぞやと言われると、この学校の生徒なら誰もが答えるだろう。【第一理科室の悪魔】と。
最早伝説と化している。知らない人は、それこそモグリか無知な愚か者等とも言われるくらい。
で、なんでそんなトコロに居るかと言うとだが、原因は俺と俺の手のなかの薄っぺらい紙切れにある。
実はこれ、学校祭用のアンケートなのだ。貰って提出するの忘れてたら案の定怒られた。で、提出する為職員室に向かっている。そう、ここは職員室に行くのに今は必ず通らなければいけない場所なのだ。他の道は毎日放課後に閉まる防災扉によって封鎖された。
なのでこの道に勇気を出して踏み入ったんだけど、やっぱ怖いもんは怖い。【悪魔】と言ってもどんな形状のモノか知れていないからだ。本当にイメージ通りの【悪魔】なのか、はたまた妖怪なのか、幽霊なのか。
文字通り得体が知れない。だから怖い。UFOだってあまり好きじゃない。どうでもいい。
(駆け抜ければ平気だよ、な!)
半ば自分への慰めとして心のなかで呟く。よ、し、行くぞ!
最初のコメントを投稿しよう!