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「おーい凜、お前に美人のお客さんだよ、」
昨日、命からがら逃げ仰せた俺、柚亜凜(ゆあ りん)は我が教室でぼうっとしていた、の、だが。
閑な静寂は留まってはくれなんだ。
悪友の村田翼がドア付近から俺を呼ぶ。安息は速やかに過ぎ去る、グッバイマイデイズ。
村田は地味に身長が高いので、その向こう側の人物が見えない。見えないが、嫌な予感はむんむんだ。
「おまえさあ、あんな美人このガッコの何処で捕まえてきたわけ」
このこの、なんてベタな小突き方をしながら地獄までの最後の壁がすり抜けていく。ああ、予想通り過ぎて悲しくなる。
ドア口に立って笑顔でこちらに手を振るビューティホーガールは、昨日の変人さんだった。
「ハローハロー、柚亜くんっ」
ひどくご機嫌なご様子。ちゃっかり名前覚えられてるし。
「はあ、どーもッスセンパイ。」
返事を返すといっそう綺麗に笑う。やめてくれ、本能がっ。
ちょっと来てくれる?と首をかしげて半ば強引に手を引かれ連れていかれる。
あ、これ殺られる。みーたーなー的な感じで。
これからも怖いけど、今はクラスメイトの視線(男が全般)がこわいです。
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