老人

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老人

タクシーのドライバ―にお金を払いタクシーを降りた。 目の前にそびえ立つ洋館は3階建てで横幅はゆうに50mはありそうだ。レンガ色の屋根に白い外壁。庭には噴水があり水がこうこうと流れている。 いったい何部屋あるのだろうか?洋館を眺めながらそんな事を考えていると洋館の玄関の扉があいた。 でてきたのは白髪の老人だった。背筋がビシッとしていてとても姿勢がいい。着ている服からさっするにどうやら執事らしい。 「おや、どちら様ですかな?」 「私は香野 真治と言います。先日、古口 雄一郎という人物から手紙をもらい、1月31日にここに来るように頼まれたのです。」 「古口 雄一郎…」 老人はそうつぶやくと、うつむき眉間にシワをよせて何か考え事をしているようだった。少ししてふっと顔をあげた。 「香野様でしたかな?どうぞお入りください。」 そう言うと玄関のドアをス―っとあけて中に招き入れてくれた。
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