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新二さんはあきらかに動揺していた。
「だが父はもう亡くなっています。その手紙は偽物なのでは?」
「私も偽物だと思います。誰かが雄一郎さんのふりをして書いた物でしょう。」
「どんないきさつであろうと探偵のかたが来てくれたのは心強いじゃないですか。」
額に脂汗をかいた男がそう言った。彼はどうやら次男の満さんのようだ。続けざまに満さんはこう言った。
「兄さん、あの文の謎を解いてもらったらどうかな?」
「それならばもう解けていますよ。満さん。」
「本当ですか!?答えはなんなんです?」
「答えは“ポスト”ですよ。
ノックをする人は家の人に用事がある。しかしノックをしない人は家のポストに用事がある人のことです。新聞配達や郵便配達がわざわざ玄関をノックして行きますか?」
皆うなずきながらキョトンとした表情をしている。
「でわポストを調べに行きましょう。」
そう行って私は歩き出した。皆さんも私の後に続いてポストがある場所まで移動した。
ポストは玄関の脇にあった。ポストの前につくやいなや新二さんがポストを調べはじめた。
「何もかわったところはないな~。」
「新二さん。ポストの底を良く調べてみてください。二重底になっていませんか?」
私がそぅ助言すると、新二さんは底を調べはじめた。
「おっ!二重底になってる。」
そう言ってダミ―の底をとるとその下から手紙がでてきた。
「手紙だ…“光と闇、そのふたつの狭間には歪みが産まれる。闇の歪みに目を凝らし、光の導く先に見える物が宝に導く”だって。」
新二さんが手紙を読み終えると三男の正広さんが思い付いたような様子で言った。
「光と闇ってゆうのは光の間と闇の間のことじゃないかな~?」
そして四男の貞昭さんが言った。
「多分そうだよ。この洋館で光と闇で思い付くのはそれぐらいだしね。」
「とりあえず行ってみましょう。」
私がそう言うと皆さんうなずき光の間と闇の間に移動した。
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