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1月31日、俺は先日事務所に届いた手紙に従い[古口 雄一郎]なる人物の洋館を目指していた。目的地まではまず電車に乗っての移動だ。もぅ2時間ほどこうして電車に揺られている。
1人ボックス席に座りながらこれまでのいきさつを頭の中で整理してみた。
1月27日、事務所に1通の手紙が届く。その内容は次のようなものだ。
「探偵の香野 真治様。突然ながらお願いがありましてお手紙をさしあげました。1月31日に私の所有する洋館におこしあただけませんでしょうか?1月31日に何かが起こるきがしてならないのです。私やその他の者の命にかかわることかもしれません。おこしいただける事を心からお願いしながらお待ちしています。
古口 雄一郎」
その手紙には古口とゆう男の所有する洋館の住所と現金100万円も同封されていた。切羽つまったような内容だし、命にかかわると言う内容も気になり依頼をうけることにした。
そんな事を考えながら電車に揺られていると、どうやら目的の駅に着いたらしい。電車を降り駅でタクシーに乗り目的地の洋館の住所をドライバ―に伝えた。
「お客さん、あの洋館に行くんですか~?」
タクシーのドライバ―は陽気な感じの中年の男性だ。客を飽きさせないようにと話題を作ってくれているらしい。
「えぇ、まぁ、その洋館に何かあるんですか?」
「いえね、あの洋館に行くお客さんは今日であたなが3人目なんですよ。なにぶん小さな村なのでタクシーのドライバ―は私1人なんです…へへへ」
「それはそれは、しかし今日で3人目とは…今日はずいぶんと洋館に行くお客さんがいらっしゃいますね~」
「今日はなんでも洋館で宝探しがあるみたいなんですよ。年に1回、1月31日にしか見付けられない宝があるとかないとか…前に乗ったお客さんがそんなこと言ってましたよ」
「ほ~…それは興味深い。なぜ年に1回1月31日だけなんでしょうね~?」
「さぁ?そこまでは…」
ふと車の外に目をやると、車が1台やっと通れるくらいの並木道を走っていた。そして目の前がパ―っとひらけた。
そこには歴史を感じさせる洋館がたたずんでいた。
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