孕む世界

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孕む世界

余裕ぶった豚小屋、互いに弔いあってろよ。 泣いてみせろ今ここで、零れた涙を灯が照らすだろ。 最後の晩餐に並べられた皿の前。 鮮明に覚えているのは、嘘つきな主人。 妻と娼婦に無くした夢を。 刻む、刻む、刻む。 覆い被った鬼畜に、震え慰めあってろよ。 抱え潰せ有りったけ、札束見つめて気が狂ったママ。 最後のデザートに振り掛けられた拾いモノ。 鮮明に覚えているのは、飾られた瞳。 ここで一緒に消えてしまおう… 矛盾した神への祈りで、深く眠る主人。 孕む二人が横たわる明日に。 眠る、眠る、眠る。
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