塞ぐ

被害の海

あなたがいた海にもう、波は無い。
あなたが見た景色は今、どこを泳いでいますか？

悔しいけど、あいつらの笑みなら見える。

社会の檻が認めない、この手で焼き尽くすことさえも。
この目に映る残骸も、まだ愛している全てで……
聞こえている？

何故、何故、何故、何故、
私ではなく……

まだ、まだ、まだ、まだ、
愛していたい。

温かい思い出が、涙の色を変えて。
懐かしい声がする、私のだとは分かってるけど……

頭を撫でてみても、
手を握っても、
体揺すっても、
崩れていくだけ。