第五章 大怪獣vs軍隊

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辺りにジェット戦闘機の音が聞こえてきました。 レーズン大統領が怪獣をやっつける為に派遣した軍隊の戦闘機です。 「ほぉ、軍隊様のお出ましか。さて、どうなる事やら」 ゼルダ・フィッツジェラルドは呑気な口調で音のする方を眺めます。どうやら緊張感は全然ないみたいです。 そこへ、ずっと目を閉じていたニモが目を開けました。真っ直ぐな目でゼルダ・フィッツジェラルドを見つめます。 「ボク、何をしたいのかが判ったよ」 ニモはゼルダ・フィッツジェラルドが何かを言う前に静かに言いました。 「成る程。で、お前は何をするんだい?」 「ボクはね、人間の町を全部メチャクチャにしてやるんだ!」 ニモは叫びながら驚くべき早業でゼルダ・フィッツジェラルドを飲み込みました。 何十メートルもあるニモですから、ゼルダ・フィッツジェラルドなんて一呑みです。 ニモは口の中でもごもごやってからプッと何かを吐き出しました。 それは身体が一メートル程もある黒いコウモリです。 「ニモ、よくも俺様の魔力を奪い取ってくれたな!」 コウモリはゼルダ・フィッツジェラルドの声で叫びました。 ニモはゼルダ・フィッツジェラルドの魔力の殆どを奪い取ってしまったのです。 「キミの魔力は貰ったよ。これでボクは人間の町を全てメチャクチャにしてやれる」 「どうだかな。人間の軍隊がお前をやっつけに来たぞ。さっさと殺されてしまえ!」 「大丈夫だよ。キミの魔力、凄いもの。きっと何でもできるよ」 そう言ってからニモは息をプーッと吹いてコウモリのゼルダ・フィッツジェラルドを遠くに吹き飛ばしてしまいました。
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