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辺りにジェット戦闘機の音が聞こえてきました。
レーズン大統領が怪獣をやっつける為に派遣した軍隊の戦闘機です。
「ほぉ、軍隊様のお出ましか。さて、どうなる事やら」
ゼルダ・フィッツジェラルドは呑気な口調で音のする方を眺めます。どうやら緊張感は全然ないみたいです。
そこへ、ずっと目を閉じていたニモが目を開けました。真っ直ぐな目でゼルダ・フィッツジェラルドを見つめます。
「ボク、何をしたいのかが判ったよ」
ニモはゼルダ・フィッツジェラルドが何かを言う前に静かに言いました。
「成る程。で、お前は何をするんだい?」
「ボクはね、人間の町を全部メチャクチャにしてやるんだ!」
ニモは叫びながら驚くべき早業でゼルダ・フィッツジェラルドを飲み込みました。
何十メートルもあるニモですから、ゼルダ・フィッツジェラルドなんて一呑みです。
ニモは口の中でもごもごやってからプッと何かを吐き出しました。
それは身体が一メートル程もある黒いコウモリです。
「ニモ、よくも俺様の魔力を奪い取ってくれたな!」
コウモリはゼルダ・フィッツジェラルドの声で叫びました。
ニモはゼルダ・フィッツジェラルドの魔力の殆どを奪い取ってしまったのです。
「キミの魔力は貰ったよ。これでボクは人間の町を全てメチャクチャにしてやれる」
「どうだかな。人間の軍隊がお前をやっつけに来たぞ。さっさと殺されてしまえ!」
「大丈夫だよ。キミの魔力、凄いもの。きっと何でもできるよ」
そう言ってからニモは息をプーッと吹いてコウモリのゼルダ・フィッツジェラルドを遠くに吹き飛ばしてしまいました。
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