第五章 大怪獣vs軍隊

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ようやくやって来た十数機の戦闘機はニモの周りを大きく回ってからミサイルを発射しました。 ミサイルは残らずニモに命中します。自動誘導装置などの目玉の飛び出る程高価な機械が付いているから命中率はバツグンな上に怪獣になったニモはとても大きいので当てるのは簡単です。 しかしとても硬い鱗な覆われたニモにはあまり痛くありません。 ニモは少し困ってしまいました。 戦闘機のミサイルはあまり痛くないのですが、それでも少しは痛いですし、同じ所を何度も当てられれば硬い鱗も壊れてしまいます。 一番困ったのは戦闘機は決してニモのすぐそばを飛ばないので腕も口も尻尾でも触れない事です。 「捕まえられたらあんなのすぐに壊しちゃえるのに」 ニモが呟くと身体がドンドン大きくなりました。 怪獣のニモはまた更に十倍の大きさになりました。 今やニモは東京タワーと同じ位の大きさになってしまったのです。 背中からはコウモリみたいな大きな羽根が生えました。 頭に大小沢山の角が生えました。 ニモは自分の中でゼルダ・フィッツジェラルドの強大な魔力がようやっと扱える様になったと感じました。 ニモは真っ赤なコウモリみたいな羽根を羽ばたかせて空に浮かびます。 ニモが大きくなってからは戦闘機からの攻撃はありません。 戦闘機のパイロットの人たちもいきなりニモが十倍も大きくなったのですからびっくりした事でしょう。 びっくりしたものの、そこは厳しい訓練を積んでいる軍人さんなのですぐに戦闘機を立て直して隊列を組んでニモに攻撃を仕掛けようとします。 でもニモも今までのニモではなかったのです。 自由に空を飛ぶ事が出来ます。ニモのパワーアップはそれだけではありません。 口から灼熱の火の玉を吐ける様になりました。 角から強力な電撃が放てる様になりました。 手から謎の怪光線を撃てる様になりました。 戦闘機は次々に堕とされていきます。 火の玉に溶かされたり電撃にバラバラにされたり怪光線に何だかよく判らない妙に弾む物体に変えられたりと一方的でした。 ニモは大喜びです。 これなら憎たらしくてたまらない人間達をメチャクチャにしてやれます。
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