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ジリリリリリリ!ジリリリリリリ!
「!!」
俺が死ぬ程振ったことも忘れてコーラの蓋を開けようとした時、不意にズボンのポケットに入れてあった携帯が音を立てた。
驚いて中途半端に開けた為か、コーラの気はプシューといって抜けてしまった。
「何なんだよ……」
悪戯ってことは分かった。
まだ続けようというのか?メリーさんとやらは。
「もしもし」
『私メリーさん。今、あなたの後ろに居るの』
「……え?」
ブッ
「……」
ちょっと待てよ?
俺 の 後 ろ に 居 る だ と ?
そんな訳はない。
確認したが誰も居なかったし、誰かを入れた覚えもない。
なるほど。
つまりこれは、そういう悪戯なんだな。
ターゲットの家から遠いところを言っていき、最後は「後ろに居る」で締める訳だ。なかなか手が込んでいるな。
待てよ?
そうすると、相手は俺の居場所を知っていることが前提だ。
さっきから電話をしてきたメリーとかいう奴は、俺が知っている奴の声じゃない。
……まさかね。まさかそんな筈はな
「こんにちは」
……後ろから、女の声がした。
間違いない。電話の主だ。
どうする?
俺、武器無いんですけど?
「あのー……。どうしてこっちを向いてくれないのですか?」
……何か要求されてますよ奥さん。
ここは、大人しく従うべきか。
「……」
俺が恐る恐振り返ると、
「こんにちは!」
そこには、一人の少女が立っていた。
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