first call

12/14

10410人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
「もう一つ、分からないことがある」 「はい?」 「君、死んでるんだよね?」 「はい」 「天界まで行ったってことは、一度魂だけになったんだよね?」 「そうですよ?」 だよな。そうだよな。 肉体まで連れてはいけないよな。 「じゃあさ、どうして見えたり触れたり出来るんだ?」 俺には霊感は無いから、当然霊魂なんてものは見えない。 触ったというのは語弊があるかも知れないが……。結果的にそうなったからなぁ。 「なーんだ。そんなの簡単ですよ」 メリーは自分の体を指さして言った。 「この体、人形なんです」 「……人形?」 驚いた。 どこからどう見ても人間だし、感触もその……。実に人間らしかったが……。 「本当に?」 「はい!その証拠に」 と言って、メリーは自分の頭を両手で掴み、上に引っ張った。 「こんなことも出来ちゃいます!」 「……」 俺の目の前には、体から分離して笑いながら喋っている少女の顔と、それを支える首から下。すごいスプラッターな光景が広がっている。 この子はあれか。 某村で「キーン」とか「んちゃ!」とか言ってるロボットか。 「分かった。分かったから戻してくれ」 「分かりましたぁ」 メリーは自分の首をグニグニとねじ込んでいる。 これはこれである意味グロ画像なのだが……。 「この体は、私が持っていた『メリー』という人形のものなんです。霊魂のままじゃ苦労するだろうって、サリエル様が憑依させて下さりました」 首が少し横向いてるけど、すぐに戻るよね?
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10410人が本棚に入れています
本棚に追加