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「もう一つ、分からないことがある」
「はい?」
「君、死んでるんだよね?」
「はい」
「天界まで行ったってことは、一度魂だけになったんだよね?」
「そうですよ?」
だよな。そうだよな。
肉体まで連れてはいけないよな。
「じゃあさ、どうして見えたり触れたり出来るんだ?」
俺には霊感は無いから、当然霊魂なんてものは見えない。
触ったというのは語弊があるかも知れないが……。結果的にそうなったからなぁ。
「なーんだ。そんなの簡単ですよ」
メリーは自分の体を指さして言った。
「この体、人形なんです」
「……人形?」
驚いた。
どこからどう見ても人間だし、感触もその……。実に人間らしかったが……。
「本当に?」
「はい!その証拠に」
と言って、メリーは自分の頭を両手で掴み、上に引っ張った。
「こんなことも出来ちゃいます!」
「……」
俺の目の前には、体から分離して笑いながら喋っている少女の顔と、それを支える首から下。すごいスプラッターな光景が広がっている。
この子はあれか。
某村で「キーン」とか「んちゃ!」とか言ってるロボットか。
「分かった。分かったから戻してくれ」
「分かりましたぁ」
メリーは自分の首をグニグニとねじ込んでいる。
これはこれである意味グロ画像なのだが……。
「この体は、私が持っていた『メリー』という人形のものなんです。霊魂のままじゃ苦労するだろうって、サリエル様が憑依させて下さりました」
首が少し横向いてるけど、すぐに戻るよね?
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