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「……買ってこよう」
「すみません。変なこと言っちゃって……」
「や。気にするな」
少なくとも、ここで断ったら美咲の前に俺が成仏します。えぇ。とある大天使様によって成仏させられます。
多分。
まぁ最初から断る気なんて無いけどさ。
「味と数は?」
「じゃあ……。バニラを十個ぐらい」
「じゅっ!!」
いや待て。
ここは「十個はさすがに多いだろ!」と思っても口に出さないのが紳士というものだ。
それに口に出したらやっぱりとある大天使様に(以下略)
「分かった。ちょっくら仕入れてくる」
「あっ、私も一緒に」
「お客さんはじっとしてなさい。何回も言わせるんじゃありません」
「……はぁい」
心無しか残念そうにしているが、さすがに荷物とか持たせる訳にはいかないよな。
「んじゃ、行ってくるよ」
「お気を付けて」
美咲の言葉を背中で聞きながら、俺は居間を出た。
この時、俺はまだ重大なミスに気付いてなかった訳で……。
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